1912年の開業のホテルマリアクリスティーナ,ラグジュアリーコレクションホテルは、サンセバスティアンの歴史や文化生活と密接に結びついてきたホテルです。ビスケー湾の南端に位置するこの海辺の町は19世紀後半、日光浴や当時新たに認知された海水浴の治療効果を楽しむため、王侯貴族が好んで訪れていました。海岸沿いの遊歩道は古くから午後の散歩によく使われていましたが、多くのカフェや屋外テラスが上流社会の人々で埋め尽くされる中、人々は散歩と同時にピープルウォッチングも楽しんでいました。のんびりとした漁村であったサンセバスティアンが、目の肥えたゲストの要望にも対応できる豪華で近代的な施設を要するコスモポリタンな街として繁栄を遂げたのです。マドリッドとパリのザ・リッツを手がけた建築家チャールズ・ミューズによるホテルの荘厳なデザインが、羨望の的である川沿いの環境と海の景色と相まって、たちまち国際的な上流社会の間で人気を博すことになりました。
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